中古車の走行距離の査定評価と減点について




査定の基礎

古い中古車でも走行距離による査定の減点は気にしちゃダメ

投稿日:2016年7月12日 更新日:

中古車を査定する時に値段が下がる原因で気になるのが『走行距離』。

特に査定する車の年式が古くて、距離が多いと絶対値段下がるんやろなーって思いますよね。

もう7万kmも走ってしまってるし、どうせそんなええ値段なんてつかない…ってなりがち。走行距離が多い車は値段が下がることは事実ですが、売れるんです。

走行距離が多い車ならではのメリットやデメリット、売る時のコツを紹介しましょう。

自動車の年式に見合った走行距離の目安

一般的に車の年式に見合った走行距離は、車種によって変わってくるためはっきりとは決まっていませんが、目安としては年間1万kmが標準的な走行距離です。

査定価格を算出する時も、おおよその車種は年間1万kmをベースにして加点減点されるように基準価格が設定されています。

あくまで目安にはなりますが、年間走行距離が5000km未満であれば、基本的には査定価格はプラスになりますし、2万kmを超えていれば査定価格はマイナスとなります。

ただ、商用車のように中古車の流通市場全体的に走行距離が多い車種は、走行距離の減点も一般的な車種と比べると少なくなることもあります。

実際に査定で見られる走行距離の加減点と基準

中古車査定協会(JAAI)が定める走行距離の加減点基準をベタなコンパクトカーのクラスで見てみましょう。あまり多いと見にくいので、走行距離は7万kmまでにしてみました。

対象車種:ヴィッツ、キューブ、フィット、デミオ、シビック、フリードなど

黄色の枠付けされている箇所が走行距離による加減点がないと言うことになります。

1年〜4年落ちまでの加減点の目安

 1年2年3年4年
1万km +35+60+80
2万km-35 +25+50
3万km-80-25 +15
4万km-135-70-25 
5万km-190-125-65-25
6万km-225-180-105-65
7万km-260-215-140-100

4年落ちまでは1年に1万kmが加点減点がゼロの状態となります。きれいに1年ごとに比例してますね。

逆に走行距離が標準距離より少なくても、それほど加点されないのが年式の新しい車に見られる特徴と言えます。

では次に、5年目から10年目にかけての走行距離の加減点を見ていきます。

5年〜10年落ちまでの加減点の目安

 5年6年7年8年9年10年
1万km+85+85+70+60+55+55
2万km+60+70+70+60+55+55
3万km+30+35+45+50+55+55
4万km  +10+25+35+35
5万km     +10
6万km-40-20-10   
7万km-70-45-30-20-20 

年式が5年以上経ってくると、加減点なしのゼロの期間が少し幅広くなっていますね。

それだけそのあたりの中古車が売れやすいとも言えます。

5年目はまだ年間1万kmなら、プラスマイナスゼロですが、6年目以降になってくると、年間1万kmペースで走っていると逆にマイナスになっています。

走行距離が少ないことによる加点額はそれほど変化はありませんね。

【小まとめ】 走行距離の加点と減点

年式と走行距離の加点と減点について表の内容を軽くまとめるとこんな感じです。

  1. 5年落ちまでは年間1万kmなら減点はない
  2. 低走行車は5年目以降の方が加点額が大きい
  3. 7年目以降になると年間8000kmが標準距離になる

 

中古車購入・買い替え時に敬遠されやすい走行距離

中古車を購入する人が中古車選びで敬遠しやすい走行距離はだいたい何kmくらいなのか?

一般的に中古車を選ぶ時、ぱっとプライスボードの走行距離を見て判断する目安は人によってそれぞれというのが答えですが、多くの人が判断する目安の走行距離は5万kmくらいです。

これは私の経験則によるものなので、正確なデータではありませんが、車の営業をしていた時にお客さんの行動を観察していると、ほとんどの方が5~6万kmを超えた車はうーんと首をかしげていました。

なぜ5万kmの中古車を選ぶのをためらう?

その答えも人それぞれと言ってしまえば終わりですが、1つ考えられる要因としては車は10万kmになると寿命と考えている人が多いためです。

10万kmで車が故障したり、壊れて乗れなくなってしまうということはありませんが、普通の車は10万km付近になると、タイミングベルトという部品の交換が必要となってきます。

タイミングベルトは、車の駆動を司るメインのファンベルトのことで、交換するとなるとバンパーを外したりかなり大がかりな修理となり、修理費用も数万円かかってきます。

10万kmの車にそこまでの修理代を出して、乗り続ける人が少ないことがポイントとなってきます。

5万kmで中古車を買っても、10万kmまであと5万km…というイメージが先行してしまうため、多くの人は購入をためらうというわけですね。

走行距離が多い車ならではのメリット

走行距離が多い車はどうしても敬遠されがちですが、実は良い点もあります。

車は大きい消耗品なので、走れば走るほど部品の交換が必要となってきます。

なので、走行距離が多い車は距離を走っており、消耗品としての部品交換回数が多いので必然的に故障も多く経験しているということになります

車は10年間の間に必ず壊れる箇所が出てきます。先程のタイミングベルト等、他にもいろいろな箇所がある程度走ると、部品が劣化し、交換時期となります。

つまり、修理や故障の回数が多いので、すでに変えなければいけない部品を交換しているため、逆にコンディションのいい車ということになるのですね。

逆に車庫で保管されているような年式のわりに走行距離の少ない車は、走行距離も少なく傷や状態も良いので高くなると思いがちですが、極端に走っていない車も査定の時には評価されることが多く、マイナス査定を受けることもあります。

ポイント

年式を問わず、年間1万キロくらいを走っている車が購入も売却でも最適!

例えば、8年前の車で走行距離が2万キロしか走っていない場合、年式のわりに走行をしていないので、故障を起こしてしまう可能性があると判断され、逆に評価が下がる可能性もあるわけです。

多すぎても少なすぎてもダメだということですね。うーんムズイ。

走行距離は多くても売れないことはない

ただ、一概に走行距離の多い中古車が売れないかって言うとそうでもないです。

査定価格は下がってしまいますが、車種によっては走行距離に関係なく高い値段がつくこともあります。

めっちゃ乗ってるからもうあかんわーってまだ諦めるのは早いッス!

海外でも人気の車は距離に関係なく高く売れやすい

中古車は一般的に、7万キロを超えると多走行車と言われます。(聞こえが悪いww)

多走行車は中古車市場では人気がなく、なかなか売れないですが、1つだけ確実に売れる市場があります。

それは、海外での販売です。

海外では日本車の人気は高く、その耐久性の高さに根強い人気があります。

海外でよく売れる人気の車

  1. カローラ系
  2. アコード
  3. デミオ
  4. ハイエース・タウンエース系

ここに紹介した車種は一例ですが、ザ・日本車ってイメージの車は人気が高いです。

20万キロ以上距離を走っているような多走行車でも実際に売れています。特に東南アジア系の諸国では、日本車は普通によく走っており、人気もあります。

私が新婚旅行でバリへ行った時、都心部を走ってる車のほとんどは日本車ばかりでした。それも平成初期くらいの懐かしい車種ばかり汗

日本車のタクシーに乗せてもらった時も走行距離のメーターを見せてもらったら、15万kmとかざらでした。運転手さんも日本車は高いんだよって感じのことを話していました。

そういう意味でも海外に販路を持っている販売店に相談ができれば、売れる可能性は十分にあるということです。

軽自動車も高く売れやすい車種

軽自動車は走行距離だけに関わらず、他の車種よりも基本的に高く売れやすいんです。

軽自動車はもともとリセールバリュー(再販価値)が高く、使われるシーンが多いことから大きな目立つ故障がない限りは高年式で多走行でも値段はつきやすくなっています。

車屋やディーラーでも中古の軽自動車は車検や修理の代車として使われたり、営業車や社用車として使われることが多く、維持費も安いので需要が高いことが特徴です。

年式が古かったり、走行距離が多いなと感じても軽自動車は意外にいい値段で売れることもあるので、諦めていたあなたも一度査定してみるのもいいかもしれません。

走行距離が多い車の持つ2つのデメリット

当たり前ですが、走行距離が多くなってくると問題事も増えてきます。今度は反対に走行距離の多い車にひっついてくるデメリットを紹介します。

大きく分けると自動車保険の金額が高くなることと日頃のメンテナンスや修理費用がかさむと言う2点です。

自動車保険の支払いが高くなる

走行距離は、車を売る時の査定価格にだけ影響があるというわけではありません。

自動車保険でも走行距離による保険金額の差はあり、年間走行距離をベースとして保険金額は変わってきます

最近流行りのソニー損保などのダイレクト型(ネットで完結するタイプ)の自動車保険では、申し込みや更新の時期に車の走行距離を申告するようになっています。

試しに私が現在加入しているソニー損保で、走行距離を変えて見積もりを比較してみました。

車種は平成20年式のアルファード、30歳以上補償、20等級、1年払いの条件で計算していますが、他の車種でもそれほど大きくは変わりません。

年間走行距離の平均1万kmに近い9000kmの保険金額とそれぞれの走行距離の金額を比べた比較表を作ってみました。

年間走行距離保険金額9000kmとの差額
~3000km¥23,970-5,890
~5000km¥25,760-4,100
~7000km¥27,310-2,550
~9000km
(標準走行距離)
¥29,860±0
~11000km¥31,480+1,620
~16000km¥37,320+7,460
16001km~¥39,330+9,470

年間走行距離が5000km未満になると、自動車保険の金額もぐっと安くなっていることがわかります。

また一般的に多い走行距離とされる2万kmになってくると、毎年自動車保険だけでも1万円近く高くなるということもわかります。

節約のポイントはココ!

もしあなたの乗っている車の走行距離が年間9000kmに満たないのであれば、ダイレクト型の自動車保険に変更した方が、自動車保険の金額も節約することができます。

正しい中古車の自動車保険の選び方と節約方法』の記事で詳しく解説していますので、自動車保険で節約したい方はぜひチェックしてみてください。

修理費用が増える

距離を乗ると言うことは、部品の消耗や劣化が早くなってしまうわけです。(当たり前ww)

日常のオイル交換や稀にくるATF(オートマフルード)やバッテリーなどの交換を普通の車より多く交換する必要が出てきます。

ブレーキオイルやバッテリーなど普段あまり変えない部品は、1回の交換で1万円〜2万円近くかかるものも多くあります。

1年〜2年以上乗る予定がないなら交換せずに乗り続けたり、査定に出してみると言うのも1つの手です。

走行距離の多い車を少しでも高く売るコツ

走行距離の多い車をちょっとでも高く売るためにしておきたいことはたった1つ。

  1. フロアマットを掃除機がけ
  2. ダッシュボード・インパネ部を水拭き
  3. ドアトリムを軽く水拭き

共通して言えることは『車内の掃除』。はい、めんどくさ〜いって思わないでください笑

この3つに共通して言えることは、査定士が内装をチェックする時に目につきやすいところと言うこと。

運転席周りからチェックするので、その時に目に入りやすい場所がこの3つなんです。細かく言えば、後部座席もがっつり掃除しておくといいですが、面倒ですよね。

だから最低限この3つです。

ただ、できる人は全てやっておいた方がいいですよ。

車内の汚れの70%は基本的に『たまった埃』です。

埃は特別なケミカルなんか使わなくても、水拭きすればある程度取れます。内装の減点は地味にでかいので、ここをやっておくだけで下手したら数万円の減額は防ぐことができますよ。

【まとめ】中古車の査定価格と走行距離の関係

実際、中古車の査定で走行距離の減額はそれほど大きい額にはなりません。

ただ、日本人の特徴として、やはり走行距離の多い車はいくらまだまだ乗れるとは言ってもやっぱり敬遠されがちなんですよね。

車屋さんなど中古車業界に詳しい方は、あえて走行距離の多い車をオークションで買ってきて、その車を車検の代車など長く乗る車として使ったりしています。

海外では多走行車でも高く売れやすいということは、このあたりの理由も絡んでいると言えますね。

日本では、だいたいの車種が5万kmくらいを越えてくると、徐々に値落ち幅は大きくなってくる傾向にあります。

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リョウヘイ

元自動車ディーラーの営業をしており、中古自動車査定士の有資格者です。元査定士ならではの業界の裏話を中心に中古車に関するお得情報とコラムを発信していきます。 詳しいプロフィール

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